「ブランド」を言い換えることで生まれる効果を考察してみた
- 桜井 貴斗
- 24 時間前
- 読了時間: 11分

「ブランド」という言葉は様々な意味を含みます。ほんの少し言い換えただけで、それまでは得られなかった価値や印象を生み出せるのです。ビジネスにおけるブランドの表現方法も工夫すれば、市場での存在感を高めたり、顧客への訴求力を強化できるでしょう。
本記事では、「ブランド」を言い換える際の考え方やその効果、さらに成功事例を交えながら、新たな可能性を探ります。
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目次
イメージの刷新と独自性の強化
ターゲットの絞り込みと親近感
検索エンジン最適化 (SEO) 効果
新規事業展開の柔軟性
アイデア一覧
事例1:ダンキンドーナツ→ダンキン
事例2:「缶入り煎茶」→「お〜いお茶」
事例3:「秘密を守りきります!」
ブランドストーリーを再構築(リブランディング)
ローカルマーケティングで効果を最大限に活用
デジタルマーケティングで応用
「ブランド」の名称を変えるメリットとは?

「ブランド」には製品や企業のイメージを象徴する多様な意味が込められているものです。しかし、表現を言い換えてみると、顧客が受ける印象が変わり、思わぬ反響を呼ぶ可能性を秘めています。この、表現を変えてみる具体的なメリットを解説します。
イメージの刷新と独自性の強化
名称を変えると、従来とは異なる新たな印象を顧客に与えられます。特に競争の激しい市場においては、ユニークな名称が差別化を図りやすくします。また、「プライベートブランド」や「オリジナルブランド」のように特化した名称を用いることで、ブランドの個性をアピールできます。
ターゲットの絞り込みと親近感
言い換えにより、特定の顧客層に響くメッセージを届けることが可能です。例えば、高級志向の商品には「ラグジュアリーブランド」、若者向けには「カジュアルブランド」など、ターゲットに応じた特別感を演出できます。
検索エンジン最適化 (SEO) 効果
新しい名称の採用は、SEO対策にも寄与します。キーワードを意識した名前にすると、検索エンジンでの発見性が向上し、オンラインでの認知度を高める助けとなります。
新規事業展開の柔軟性
新たな事業展開に合わせた名称変更は、その事業の目的や特長に合ったブランドイメージを自然に構築できます。これにより、消費者に対する訴求力を強化しやすくなります。
ブランドの名称変更は、単なる言葉遣いの変更ではなく、戦略的なブランディングの一環として実施されます。これにより新しい市場機会の創出、顧客の呼び込みを拡大させます。
「ブランド」を言い換えるとどのような言葉になる?

「ブランド」の言葉自体も、商品や企業の象徴的な価値を表す言葉であり、多彩な側面を持ちます。状況や目的に応じた言葉に置き換えれば、その状況で伝えたい意味が具体的に伝わるはずです。たとえば、権利や信頼の象徴として「商標」や「登録商標」、高級感を強調する「ラグジュアリーブランド」、地域性を活かした「地元ブランド」、独自性を打ち出す「オリジナルブランド」など、多くの選択肢があります。
これらの言葉は、単に言い換えのためだけでなく、ターゲット層への訴求力を高めたり、ブランド価値を明確化するための重要なツールでもあります。ここでは、具体的な言い換えのアイデアを一覧表示いたします。何かしらの戦略のヒントになれれば幸いです。
アイデア一覧
商標
銘柄
商品名
トレードマーク
登録商標
プライベートブランド(自社独自の商品ライン)
ラグジュアリーブランド(高級ブランド)
ノーブランド(無名ブランド)
ハイブランド(一流ブランド)
トップブランド(優良ブランド)
ブランド化(地元の素材や文化を活用)
ブランドストーリー(独自の物語)
ブランドカラー(特色を表すカラー)
ブランド価値(ブランドが提供する独自の価値)
ブランドコンセプト(理念や思いを表現する軸)
地域資源(地方特有の強み)
地元ブランド(地域性を利用)
オリジナルブランド(独自に開発されたライン)
「ブランド」の言い換えが成功した事例

「ブランド名」の言い換えによって、商品の印象や価値が劇的に変化し、成功を収めた事例があります。言葉の選び方ひとつで、親しみやすさを高めたり、商品の魅力を直感的に伝えたりする効果が生まれます。ここでは、いくつかの事例を通じて、言い換えが生む効果や成功の背景を詳しく考察します。言葉が持つ力とブランド戦略の可能性を感じられると思います。
事例1:ダンキンドーナツ→ダンキン

ダンキンドーナツ(Dunkin' Donuts)は、2018年に正式にブランド名を「ダンキン(Dunkin')」へ変更しました。このリブランディングの背景には、従来の「ドーナツチェーン」というイメージから脱却し、急成長していた飲料市場を中心にポジションを確立する狙いがありました。同社の売上において、コーヒーや紅茶などの飲料が約6割を占めており、「ドーナツ」という限定的な印象がブランドの将来性を阻害していました。
これを受け、ブランド名から「ドーナツ」の文字を削除し、飲料主体のブランドとして位置付けを再構築。また、試験的にカリフォルニア州やマサチューセッツ州の店舗で新ブランド名を導入し、顧客からの反響を確認しました。その後、正式な表記変更と同時にデジタルキオスクやアプリを活用した利便性向上型の店舗運営を開始し、顧客体験の向上も図りました。
この大規模なリブランディングにより、トータルブランドイメージの近代化に成功。「ダンキン」という名称は親しみやすさと簡潔さを兼ね備え、飲料や軽食を扱う幅広いブランドイメージを確立しました。
デジタル広告やSNSを積極活用するマーケティング戦略により、新たなターゲット層を獲得し、多様な客層への訴求に成功したことで、コーヒーや軽食売上が大きく成長し、「ドーナツ以外のイメージ」拡大に貢献しました。
ダンキンの成功事例は、言葉の選び方やブランド名の簡潔さが、顧客の認識や市場でのポジションに与える影響の大きさを示しています。
(参考:ダンキンドーナツ改め「ダンキン」に、飲料に重点移す - CNN.co.jp: https://www.cnn.co.jp/business/35126104.html)
事例2:「缶入り煎茶」→「お〜いお茶」

「お〜いお茶」は、元々「缶入り煎茶」という商品名で1984年に発売されました。しかし、「缶入り煎茶」という名前は商品の魅力や親しみやすさを十分に伝えきれず、売り上げが伸び悩んでいました。そこで1989年、商品名を「お〜いお茶」に変更するリニューアルが実施され、売り上げは一気に40億円と、初年度と比べて約6倍の成長を遂げました。
商品名変更の背景には、CMで使用された「お〜い、お茶」と呼びかけるフレーズの人気があります。この親しみやすい言葉が消費者の心を掴み、そのまま商品名として採用されました。「お〜いお茶」という名称は、家庭的で人々の記憶に残りやすく、他の競合商品と一線を画す個性を打ち出しました。
このブランド名は「お茶を飲む日常的なシーン」を想起させ、消費者の共感を呼ぶと同時に、自然と手に取りたくなる印象を与えました。結果として、「缶入り煎茶」時代には限定的だった顧客層が拡大し、幅広い世代に愛されるロングセラー商品となりました。
「お〜いお茶」の成功事例は、親しみやすさや共感を喚起するネーミングが、商品の印象や売り上げにどれほど影響を与えるかを示す好例です。
(参考:「お~いお茶」が生まれた日。商品名とパッケージについてのおはなし。【#開発裏ばなし】|お~いお茶裏ばなし: https://note-itoen.itoen.jp/n/nd85e02049c17)
事例3:「秘密を守りきります!」

「秘密を守りきります!」は、個人情報を細かく裁断できるハサミ型シュレッダーで、2006年に発売されたロングセラー商品です。もともとは「きざみ海苔ができます!」という調理用品として販売されましたが、価格の高さや需要の乏しさから売り上げが伸びず、廃盤になる寸前でした。
転機となったのは、取引先の「シュレッダーにしてみたらどうか?」という一言と、2005年施行の個人情報保護法の影響でした。個人情報を守る意識が高まる中、郵便物の伝票や明細書を手軽に処理できるアイテムとして再ブランディング。「秘密を守りきります!」という名称に変更したことで、そのコンセプトがわかりやすく伝わり、改名後の初年度には20万本を売り上げる大ヒット商品となりました。
この成功は、製品そのものを大幅に改造せずに、コンセプトやターゲットを変えることで新しい価値を生み出した好例です。シュレッダーのような大きな装置に比べて手軽さや静音性が高く、特定部分だけをカットできる実用性も消費者に受け入れられました。18年たった今も、愛され続けている理由は、この簡便さとユニークな商品名にあるといえます。
「秘密を守りきります!」は、ネーミングと用途転換の成功により、新たな市場を開拓した代表的な事例です。
「ブランド」の言い換えを活用したブランディング戦略

「ブランド」の言い換えを活用したブランディング戦略は、新たな視点で顧客に響く価値を提案し、企業や商品の魅力を再構築できるアプローチです。その実践には、言葉を目的に応じて適切に選び、顧客層の共感を引き出す工夫が求められます。
ブランドストーリーを再構築(リブランディング)

ブランドストーリーの再構築は、顧客に共感される「独自の物語」を、時代や環境にあわせて新たに組み立て直す手法です。
企業や商品の価値をより強く伝えるために、従来のアプローチから視点を切り替え、時代や顧客ニーズに適応した物語を描き直します。その際、地域資源や文化、歴史的背景を活用することで、競合との差別化を図り、顧客に深い印象を与えることが可能です。
ブランドストーリーは単なる情報の提供ではなく、顧客の共感を軸にした魅力的な体験を創る重要な要素です。
ローカルマーケティングで効果を最大限に活用

ローカルマーケティングは、地域社会に密着し、その文化や特性を活かしたアプローチで顧客と深い関係を築く戦略です。例えば、えひめ飲料の「ポンジュース」や、栃木の「レモン牛乳」など、都道府県、市町村といった地域に紐づいて連想されるブランドが代表的でしょう。
地域特有の習慣や価値観に即した訴求を行うことで、顧客が抱く親近感や信頼感を引き出せます。また、地元の素材や伝統を取り入れることで独自性を高め、他のブランドとの差別化を図ります。
SNSや口コミといったデジタルツールを効果的に活用すると、地域内外に情報を発信しやすくなります。これにより、ターゲットへの訴求力を強化し、結果的に地域全体の活性化にも貢献できます。
地域の特色を最大限に生かした戦略は、地元企業や中小ビジネスにおいて特に高い効果を発揮します。
デジタルマーケティングで応用

デジタルマーケティングは、ブランドの価値や魅力を多角的・効果的に発信できる手段です。
「ブランド名」は、単なる商品やサービスの名称だけでなく、「企業の個性」「サービスの世界観」「お客様との約束」「信頼」「アイデンティティ」など、さまざまな側面を持っています。こうした多様なブランドの顔を、デジタルマーケティングが直感的に可視化します。
たとえば、SNSや検索エンジンを活用すれば、ブランドストーリーを発信でき、「個性」や「世界観」も動画やビジュアルで鮮明に表現できます。価値観や信頼感といった抽象的な要素も、オンライン上で具体的に伝わりやすくなります。
リアルタイムのデータ分析により、「お客様のパートナー」や「社会への貢献者」といった新しいブランド像の浸透度も数値で把握可能です。ユーザーの反応や興味に応じて、発信するブランドの顔を柔軟に調整でき、多面的な訴求に対応します。
ブランドという言葉にとらわれず、「個性」「強み」「ストーリー」などさまざまな言い換えの先にある意味を意識することで、マーケティング施策に一貫性と幅を持たせやすくなります。大企業だけでなく、地域密着型ビジネスや中小企業も、自社の魅力や物語をデジタル上で自在に発信できる時代です。戦略的なデジタル活用が、現代ブランディングの進化を後押しします。
まとめ
効果的なブランディング戦略は、ブランドの言い換えや再構築を通じて顧客に新たな価値を提供し、共感を引き出します。地域やデジタルを活用した施策を組み合わせれば、企業独自の魅力を最大限に発揮し、競争力のある市場展開が可能となります。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【記事を書いた人】

株式会社HONE
代表取締役 桜井貴斗
札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。
※本記事は一部AIを活用して執筆しています。
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