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  • 執筆者の写真桜井 貴斗

マーケティング研修、いったい何を学べばいいの?課題別の研修例を解説します。

更新日:9月20日

マーケティング研修、いったい何を学べばいいの?課題別の研修例を解説します。

マーケティング研修と一言で言っても、学ぶべき内容は企業や個人の課題によって異なります。消費者理解の深化、会社の進むべき方向の言語化、ブランド理解など、多岐にわたるテーマが存在します。


具体的な課題ごとに最適な研修内容を紹介し、スキル・マインドともに最適な学びになるための一助になればうれしいです。



目次




マーケティング全体のフロー


マーケティングは、事業成果を出すための重要なプロセスであり、そのフローは一連のステップから成り立っています。


マーケティングフロー
マーケティングフロー©︎HONE

上記のフローは企業の状況によって変わりますが、便宜上MVVからスタートをさせています。


MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は企業の存在意義や将来の方向性を明確にし、マーケティング活動ひいては経営の基盤となります。


その次に、市場調査を通して消費者理解を深めていきます。市場を把握することにより、ターゲットとなる顧客のニーズや行動を把握し、データを収集していきます。


その後、ターゲット設計を行い、どの顧客層にアプローチするかを明確にします。ターゲットを定めたら、次はコンセプト設計です。ここでは、商品やサービスの独自性を打ち出し、消費者にどのように価値を提供するかを考えます。


最後に、コミュニケーション戦略の設計が重要です。ターゲットに対してわかりやすく、伝わりやすいメッセージと手法を考え、関係を築いていくかを計画していきます。


このように、マーケティング全体のフローは、各ステップが相互に関連し合いながら進行します。企業が成功するためには、これらのプロセスをしっかりと理解し、実行することが不可欠となります。


次のセクションでは各フローをもう少し細かく解説をしていきます。



MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)策定


マーケティングの基盤を築く上で、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の策定は欠かせません。ミッションは企業の存在意義を示し、ビジョンは将来の理想像を描き、バリューはその実現に向けた価値観や行動指針を定めます。この3つの要素が明確であることで、企業全体の方向性が統一され、マーケティング戦略の一貫性が保たれます。


MVVに関するより詳しい記事は以下の記事をご参照ください。


MVVとは?MVVの定義・事例・依頼する際の費用を解説


市場調査・消費者理解


消費者理解を深めるには市場調査が必要となります。調査には定量調査と定性調査の2つのアプローチがあります。


定量調査は、アンケートや統計データを用いて数値的な情報を収集し、消費者の行動や傾向を客観的に分析します。一方、定性調査は、1on1インタビューやフォーカスグループインタビューを通じて、消費者の感情や価値観を深く理解することを目的としています。これらの手法を組み合わせることで、より俯瞰的・包括的な消費者像を描くことが可能になります。


【基本のキ】地方マーケティングにおける調査(マーケティングリサーチ)設計について。


ターゲット設計


ターゲット設計は、消費者の特性やニーズを深く理解することが求められます。

まず、ターゲット市場を明確に定義することが必要です。以下の4つのセグメントを中心に考えていきます。


4つのターゲット設計

【4つのターゲット設計】

1:年齢、性別などのデモグラフィック

2:地域特性を鑑みたジオグラフィック

3:心理的要因や価値観、興味関心を考慮したサイコグラフィック

4:ユーザーにとってどんなシーンで使われるのか?の具体的なオケージョン(文脈)


これらのターゲティングにより、より具体的なターゲット像がイメージでき、ターゲットの行動を予測しやすくなります。



コンセプト設計


コンセプト設計は商品やサービスが市場でどんな認識を持ってもらいたいか?から逆算してメッセージを策定していきます。効果的なコンセプト設計は、ターゲットのニーズや期待に応えるだけでなく、競合との差別化にもなります。


もれなく、わかりやすく、かつ行動変容が起こるようなメッセージを考えていくことが肝要となります。



コミュニケーション戦略設計


コミュニケーション戦略は消費者にメッセージを明確に伝えることで、ブランドの認知度や信頼性を高めることができます。またここまで説明してきたMVV〜市場分析〜ターゲット〜コンセプトを消費者向けの言葉にして発信していくことが必要となります。


発信の際はメッセージに一貫性を保つためのガイドラインを策定することで、異なるチャネルでのコミュニケーションが統一され、ブランドのアイデンティティが強化される効果があります。


最後にコミュニケーション戦略の効果を測定するための指標(KPI)を策定し、定期的に取り組みの評価を行っていきます。これにより、戦略の改善点を見つけ出し、より効果的なアプローチを模索することができます。




マーケティング研修の種類について


ここからは具体的な研修の種類について解説をしていきます。


マーケティング研修の種類

【マーケティング研修の種類】

  • MVV研修

  • 市場構造分析・事業理解研修

  • 消費者理解研修

  • コンセプト設計研修

  • コミュニケーション設計研修


それぞれ解説をしていきます。



MVV研修


MVV研修は、企業や組織がその存在意義や将来のビジョンを明確にするための重要なプロセスです。この研修では、ミッション(使命)、ビジョン(将来の姿)、バリュー(価値観)を策定し、組織全体の方向性を統一することを目的としています。特に、企業が成長を続けるためには、これらの要素がしっかりと定義され、全社員が共通の理解を持つことが不可欠です。


研修の内容は、まず参加者が自社の現状を分析し、どのような使命(ミッション)を持っているのかを考えるところから始まります。次に、理想とする未来像(ビジョン)を描き出し、その実現に向けた具体的な行動指針を策定します。さらに、企業文化や価値観を明確にすることで、社員が日々の業務においてどのように行動すべきかを示すことができます。


MVV研修を通じて、企業は内部の結束を強化し、外部に対しても一貫したメッセージを発信することが可能になります。結果として、ブランドの信頼性が向上し、顧客との関係も深まるでしょう。マーケティング活動の基盤を固めるために、MVV研修は欠かせないステップと言えます。


MVVそれぞれの定義について


市場構造分析・事業理解研修


市場構造分析・事業理解研修は、企業が自社の立ち位置を明確にし、競争環境を把握するために不可欠な研修です。この研修では、業界のトレンドや競合の動向を分析し、消費者のニーズを理解することを目的としています。具体的には、PEST分析やSWOT分析といったフレームワークを用いて、外部環境や内部資源を評価し、戦略的な意思決定を支援します。


PEST分析

5フォース分析

研修の中では、実際の市場データを基にしたケーススタディを通じて、参加者が自社の市場環境を具体的に理解できるようにします。また、業界のベストプラクティスを学ぶことで、参加者は自社の強みや弱みを把握し、競争優位性を築くための具体的なアクションプランを策定することが可能になります。


さらに、事業理解を深めるためには、企業のビジョンやミッションを再確認し、どのように市場でのポジショニングを強化するかを考えることも重要です。この研修を通じて、参加者は市場の変化に柔軟に対応できる力を身につけ、持続可能な成長を実現するための基盤を築くことができるでしょう。



消費者理解研修


消費者理解研修では、消費者のニーズや行動を深く理解するための手法や考え方を学びます。具体的には、消費者の心理や購買プロセス「インサイト」を学ぶことを推奨しています。


研修の中では、実際の消費者データを用いたケーススタディやグループディスカッションを通じて、参加者が自らのビジネスにどのように消費者理解を活かすことができるか?を議論していきます。


また、消費者の声を直接聞くためのインタビューやアンケートの設計方法についても学ぶことで、より実践的なスキルを身につけることができます。


▼インサイトについてより深く学べる記事はこちら🙌

インサイトについてより深く学べる記事はこちら


コンセプト設計研修


コンセプト設計研修では、商品やサービスの核となるアイデアを明確にし、それを基にした戦略を構築することを目的としています。具体的には、参加者は市場のニーズや競合の状況を分析し、自社の強みを活かしたコンセプトを考案していきます。


研修の初めには、成功するコンセプトの要素について言語化し、事前に決めたターゲットとなる顧客のペルソナや、消費者ニーズを満たすための独自性の言語化も行っていきます。


次に、実際のケーススタディを通じて、理論を実践に落とし込む演習が行います。参加者はグループに分かれ、与えられたテーマに基づいてコンセプトを設計し、発表することでフィードバックを受けることができます。



コミュニケーション設計研修


コミュニケーション設計研修は企業が消費者とどのようにコミュニケーションを図るべきかを学びます。具体的には、メッセージの明確化、ターゲットに合わせた言語やトーンの選定、そして適切なチャネルの選び方について深く掘り下げていきます。


まず、メッセージの明確化は、ブランドの価値や特徴を消費者に伝えるための基盤です。参加者は、自社の強みを理解し、それを消費者に響く形で表現する方法を学びます。


次に、ターゲットに合わせた言語やトーンの選定では、異なる消費者層に対してどのようにコミュニケーションアプローチするかを考えます。例えば、若年層向けのカジュアルな表現と、ビジネスパーソン向けのフォーマルな表現では、使用する言葉やスタイルが異なるようなイメージです。


さらに、適切なチャネルの選び方も重要となります。デジタルメディア、SNS、オフラインイベントなど、さまざまなコミュニケーション手段が存在しますが、どのチャネルがターゲットに最も効果的かを見極めていきます。


この研修を通じて、参加者は実践的なスキルを身につけ、より効果的なコミュニケーション戦略を構築できるようになります。


コミュニケーション設計研修は、単なる理論にとどまらず、実際のケーススタディやグループワークを通じて、参加者が自らのビジネスに即した具体的な戦略を考える機会を提供します。これにより、学んだ知識を即座に実践に活かすことができるはずです。




課題ごとに最適な研修とは?


マーケティング研修は、企業や個人が直面する具体的な課題に応じてカスタマイズしていく必要があります。


ここでは、代表的な課題に対してどのような研修が有効かを解説していきます。


課題ごとに最適な研修とは


①ブランドの進む道が迷子


ブランドが進む道が迷子になってしまうことは、企業にとって非常に大きな課題ですが、割とあるあるかもしれません。


  • 社長のトップダウンで方針が変わった

  • 市場環境や消費者のニーズが変化した

  • 新興企業・スタートアップが勃興した


などの背景からブランドの方向性を見失うと、競争力を失い、顧客との関係も希薄になっていきます。このような状況を打破するためには、明確なミッション・ビジョン・バリュー(MVV)の策定が不可欠となります。


MVVは、ブランドの存在意義や目指すべき未来像を示すものであり、企業全体の戦略を支える基盤となります。研修では、参加者が自社のMVVを再確認し、具体的な行動指針を導き出すプロセスを学ぶのが有効だと思っています。


これにより、ブランドのアイデンティティを強化し、全社員が同じ方向を向いて進むための土台を築くことができます。


さらに、ブランドの進む道を明確にするためには、市場調査や消費者理解も重要です。消費者の期待やトレンドを把握することで、ブランドのメッセージや提供価値を適切に調整することが可能になります。このような研修を通じて、ブランドの進むべき方向を再確認し、迷子にならないための戦略を構築することができるのです。


①ブランドの進む道が迷子


②商品・サービスの買い手の解像度が低い


商品やサービスの買い手の解像度が低いという課題は、売上・利益を大きく損なう要因となります。具体的には、ターゲットのニーズや行動を正確に把握できていないため、適切なアプローチができず、結果として売上や顧客満足度が低下することにつながります。このような状況を改善するためには、消費者理解を深めることが不可欠です。


まず、消費者理解研修を通じて、顧客の心理や購買行動を分析するスキルを身につけることが重要です。この消費者研修では、既存データ分析やインタビュー手法を用いて、顧客の潜在的なニーズを探る方法を学びます。また、消費者のインサイトやペルソナ、カスタマージャーニーマップなどの策定を通じて、具体的な顧客像を描くことができるようになります。


さらに、より上位概念の市場把握を行うことで、競合他社や市場の動向を把握し、自社の商品やサービスがどのように位置づけられているのかを理解することができます。これらのワーク・研修により、魅力的な提案ができるようになり、解像度の低さを克服するための具体的なアクションプランを策定することが可能になります。


商品やサービスの買い手の解像度を高めるための研修は、マーケティング戦略の基盤を強化し、企業の成長に寄与する重要なステップとなります。


消費者理解研修


③売上・利益が目標と乖離している


売上や利益が目標と乖離している現状に対しては、市場環境や競合状況などの大きな海流を把握することが重要です。市場構造分析や事業戦略研修を通じて、どのような要因が売上・利益に影響を与えているのかを探ることができます。


市場環境が大きく変化していたり、そもそも狙っている市場が小さすぎる場合、売上・利益のパイは狭くなります。また事業戦略上、商品・サービスの利益率が低すぎたり、単価が低すぎる場合、当初の目標に到達しない恐れもあります。


このように売り方(手法)に考えが行き着く前に、市場・事業の構造をきちんと理解するための研修を受ける必要があります。


さらにその後、コミュニケーション戦略設計研修を通じて、効果的なプロモーション手法やチャネルの選定を学ぶことも重要です。適切なメディアを通じてターゲットにアプローチすることで、ブランドの認知度を高め、売上を伸ばすことが期待できます。


事業戦略研修


④チームとして向いている方向がバラバラ


チームとしての方向性がバラバラであることは、事業成長の大きな障害となります。各メンバーが異なる目標やビジョンを持っている場合、コミュニケーションの齟齬が生じ、結果として一貫性のないメッセージや戦略が展開されてしまいます。このような状況を改善するためには、まずチーム全体でのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の再確認が重要です。


さらにチームとしての目線合わせにはバリューの策定が有効になります。


バリューは行動規範となるため、規範を明確にすることで、チーム全員が同じ方向を向くための基盤が整います。定期的なワークショップやブレインストーミングセッションを通じて、各メンバーの価値観を共有し、共通の目標に向かって進むための合意形成を図ることが求められます。これにより、個々の役割や責任が明確になり、チーム全体の結束力が高まります。


さらに、進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて方向性を見直すことも重要です。これにより、チームは柔軟に対応しながら、常に同じ目標に向かって進むことができます。方向性が一致したチームは、マーケティング活動においてもより効果的な成果を上げることができるでしょう。


バリュー策定研修


まとめ


マーケティング研修は、企業や個人が直面するさまざまな課題に応じて、学ぶべき内容が異なります。これまでのセクションで紹介したように、MVVの策定から始まり、市場調査や消費者理解、ターゲット設計、コンセプト設計、さらにはコミュニケーション戦略の設計に至るまで、マーケティングの全体のフローを理解することが重要です。


また、研修の種類も多岐にわたり、特定の課題に対して最適な研修を選ぶことが、効果的な学びにつながります。


ブランドの方向性が不明確な場合や、消費者のニーズを把握できていない場合、売上や利益が目標に達していない場合、さらにはチーム内での方向性の不一致がある場合など、それぞれの課題に応じた研修を受けることで、具体的な解決策を見出すことができます。


最終的には、マーケティング研修を通じて得た知識やスキルを実践に活かし、企業や個人の成長につなげることが成果につながります。研修を受ける際には、自身の課題を明確にし、それに合ったプログラムを選ぶことが成功の鍵となります。



HONEの研修サービスについて


「1日を通してマーケティングを知るきっかけをつくる」


「マーケティングは大切だと思うけど、何から始めていいかわからない…」。そんな方に向けた出張マーケティング研修プランをつくりました。


本研修の目的は「地方でマーケティングを扱う、私自身が考える「マーケティングとはなにか?」を研修し理解いただくことです。本研修を受けて、「誰に、どんな価値を伝えたいのか?」を策定をし、自社のポジショニングや競合優位性、ユーザーインサイトなどの変数を見極めて、勝ち筋を決めていきます。



研修テーマ例


マーケティングフロー
マーケティングフロー©︎HONE


<MVV・目標設定>

  • 全体のロードマップ

  • MVVの確認/再定義・短期(1年以内)及び中長期(5年以内)の具体的な目標設定

  • コンセプト、ブランドスローガン、パーパスなどの確認/再定義


<市場分析>

  • MVVの確認・決定

  • 市場分析(3C/5C・SWOTなど)

  • 他社事例から市場機会を考える

    ※上位概念の目線合わせを行ったあと、市場分析を行い全体を俯瞰し確認する


<自ブランドの理解>

  • ブランドエクイティ・ピラミッドの整理・作成

  • STP

  • ユーザーインサイト

※市場分析で見出したニーズと自ブランドの強みが重なる部分を探る

※ユーザーが自ブランドでなければならない理由を特定する


<コンセプト>

  • ビジネスコンセプトを言語化

  • コンセプトハウスを用いたコンセプトライティング

  • 作成したコンセプトを定量・定性調査

※市場分析&自ブランドの深掘りした接点を「消費者に向けた言葉」で言語化する


<マーケティング戦略>

  • これまでのアウトプットをもとに4P/4C視点で顧客体験最大化を設計

  • 売上目標に応じた販促予算、利用メディア、コンテンツ、クリエイティブなどの戦術的な施策を検討

※明日からどんな取り組みができるのか?を可視化する


 

【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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