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執筆者の写真桜井 貴斗

U30 VS O30 新春マーケティングプレゼン対決2024 in 静岡東宝会館を戦略ごっこ視点で振り返ってみた。

更新日:9月26日


U30 VS O30 新春マーケティングプレゼン対決2024 in 静岡東宝会館を戦略ごっこ視点で振り返ってみた。

2024年2月16日(金)に静岡東宝会館(静岡の映画館です)でマーケティングプレゼン大会を開催しました。ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!




イベント概要(新春マーケティングプレゼン対決2024 in 静岡東宝会館)

20代の若手敏腕マーケターVS30代以上の熟練凄腕マーケター各分野のマーケティング専門家による仁義なき戦い。静岡で開戦!勝つのはどっちだ!?? 昨年、静岡県藤枝市で初開催されたマーケティングプレゼン大会(前回イベントの様子はこちら)。2対2の同点で迎えた大将戦では僅差でオーバー30チームが勝利。。。あれから1年。 その日の静岡の気温を上げたと噂される激アツイベントが帰ってくる。若手チームのリベンジなるか!??先輩の意地を見せるのか!?? 今回の会場はなんと映画館!巨大スクリーンでプレゼンを披露します!!エンタメとビジネスの融合。【地方だからこそできる】マーケティングイベントをぜひ会場でお楽しみください!

Peatixより抜粋


20代の若手敏腕マーケターVS30代以上の熟練凄腕マーケター


今回、アーカイブ配信をお待ちの方もいらっしゃるため、勝敗やプレゼン内容については触れず、集客とコンテンツ作りを戦略ごっこ視点で記事を書いてみたいと思います。



あわせて読んでほしい記事


より詳しい背景と感想はU30大将の曽根田くんの記事をご覧ください!どのように集客したか?なども載っています。




U30次鋒ハルさんの記事もぜひ!







有料イベントに264名の参加


今回のイベントは当日参加、アーカイブともに2,200円(有料)だったにも関わらず、264件のお申し込みをいただきました。本当にありがとうございます!


チケットが売れた数

この数字、なんと会場となった静岡東宝会館の映画座席数とピッタリ同じなんです。なんて粋な結果なのでしょう!大変ありがたい限りです。


多くのスポンサーの皆様のご協力も賜りました。ありがとうございます。


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具体的にどう集客したのか?の手段については曽根田くんの記事が説明してくれているため、私の方では今回のターゲット設計がどうなっているか?を「ターゲット(顧客)・オケージョン(どんな時)・プレファレンス(何に対して)」を軸にまとめてみたいと思います。



ターゲット・オケージョン・プレファレンスの関係性


まず、「ターゲット(顧客)・オケージョン(どんな時)・プレファレンス(何に対して)」とはなんなのか?について、以下の図を使って説明してみたいと思います。



価格を上げて需要が変わらない、をつくるために必要な要素として、「ターゲット(顧客)・オケージョン(どんな時)・プレファレンス(何に対して)」の関係性をつくることが重要だと言われています。


マーケティングでよく言われる「Who・What・How」で言うところのWho・Whatの部分に該当すると思われます。


ここで異なるのは「オケージョン(どんな時)」の存在。どれだけWho(ターゲット)・What(価値)が強くてもオケージョンが弱いとターゲットへ価値が伝わりづらくなります。逆を言うと、オケージョンが強ければWho・Whatを補える、とも言えるかもしれません。


今回の例で言うと、ヤクルト1000の「ターゲット(顧客)・オケージョン(どんな時)・プレファレンス(何に対して)」は以下の通りとなります。


▼ターゲット 30〜50代のサラリーマン(社会人) ▼オケージョン 睡眠カテゴリー「ストレス緩和・睡眠質向上」睡眠不足の社会文脈 ▼プレファレンス ・機能的イノベーション ・睡眠の質が高まる ・乳酸菌シロタ株1000億個

ヤクルト1000に対して、「乳酸菌シロタ株1000億個入っている!じゃあ買おう!」と言う人はほとんどいないのではないかと思います。多くの人が「最近よく眠れない」「ストレスから解放されたい」といったオケージョン(悩み)からヤクルト1000を購入しているのではないかと推察されます(だからこそ、コンビニにも配荷拡大し売れている、というのも頷けます)。


このように、オケージョンによってターゲットとプレファレンスを最大化させることができる、と言うわけです。


では今回のマーケティングプレゼン対決ではどうか?というと、以下のようなターゲット・オケージョン・プレファレンスを設定していました。




▼ターゲット ①静岡在住の社会人または経営者 ②静岡県外のマーケター ③静岡県の行政職員 ④現地に来れない全国のマーケター ▼オケージョン ①静岡で事業を行う際にマーケティングの課題を感じている ②地方でマーケ支援を行う際に事業課題に向き合う課題を感じている ③地域課題(人口流出や税収)に向き合っており、糸口を見つけていきたい ④地域課題に携わっているわけではないが、今後のために課題感を知っておきたい ▼プレファレンス ①明日から活かせるマーケティングの知見が得られる ②地方マーケの仲間に会える、地方マーケの知見の最前線がわかる ③より本質的なマーケティング・広報・PRに出会える・わかる ④地方マーケの現状がわかる、地域が抱えている課題がわかる、登壇者の知見が得られる

上記のようにターゲットを4分類し、オケージョン・プレファレンスを合わせており、これらに合わせたプレゼンテーマを設定しています。



↓↓↓



先鋒:静岡マーケティングサロンの今後の戦略を考えよ。

O30 野田 拓志 vs U30 仁井田 紀之


先鋒


次鋒:七間町の映画館、東宝会館の集客を成功させよ。

O30 北風 和宏 vs U30 鈴木 晴子


次鋒


中堅:トライアルパーク蒲原の集客を成功させよ。

O30 新村 康二 vs U30 鈴木 瞭太


中堅


副将:SEOで自由に語れ!地域を起こすSEO戦略

O30 西島 弘文 vs U30 宮田 和也


副将


大将:静岡県の人口流出を食い止めるにはどうすればいいのか

O30 桜井 貴斗 vs U30 曽根田 光


大将:静岡県の人口流出を食い止めるにはどうすればいいのか  O30 桜井 貴斗 vs U30 曽根田 光


余談ですが、地方かつ、マーケティングイベントで有料(2,200円)かつ200名以上の集客となると、「意識高い系」と呼ばれるイベントでは成立はかなり難しい(かつツマラナイ)ため、エンタメ的な要素(対決・その場で投票・煽り合い)を盛り込んだ背景があります。


さらに、消費者のお財布のひもがゆるむ場面というものもきちんと理解した上でイベントを設計する、というのも大切だと思っています。


つまり「価格弾力性が低い・価格感度が低い」コンテンツ設計にしなければならないということです。



価格弾力性が「小さい・大きい」について


▼「価格弾力性が小さい」ということは・・・ ・うれしい面:値上げしても販売量が大きく減りにくい(値上げしやすい) ・残念な面:値下げしても大して販売量が増えない(販促しにくい) ▼「価格弾力性が大きい」ということは・・・ ・うれしい面:少しの値下げで販売量が大きく増える(販促しやすい) ・残念な面:値上げすると販売量が大きく減る(値上げしにくい)


▼弾力性が小さい、価格感度が低い ・既存顧客のプレファレンスに合ったPOD ・Hedonic消費(楽や快を求める) ・社会的消費 ・特別なオケージョン(“旅行先での買い物”) ・感情面でのブランド構築ができている ▼弾力性が大きい、価格感度が高い ・カテゴリーヘビーユーザー(必ずではない) ・Utilitarian消費(機能性で買われる) ・個人的消費 ・普段の生活文脈(“普段の買い物”) ・ブランド構築できていない

今回で言うと以下のすべてができているように感じます(一部こじつけかもしれませんが笑)


  • 既存顧客のプレファレンスに合ったPOD

    • 静岡マーケサロンが「全員参加型」で静岡を盛り上げる自分ごと化

  • Hedonic消費(楽や快を求める)

    • マーケティングにエンタメ要素を掛け合わせ

  • 社会的消費

    • 映画館の再生・蒲原まちづくり・静岡の人口流出などの共通性の高いテーマを設定

  • 特別なオケージョン(“旅行先での買い物”)

    • 映画館✖️プレゼンという非日常空間

  • 感情面でのブランド構築ができている

    • 登壇者や関係者がエモーショナルに告知活動を展開



このような取り組みによって、きっかけ→利用行動→価値提案に一貫性が出て、地上戦・空中戦の集客を通じて多くのご来場が実現できたのではないかと思っています。


きっかけ・利用行動・価値提案


以上が振り返りと戦略思考での考察でした。



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私がこれまで学んできた経営学、マーケティング/ブランド戦略に加え、この数年間、地方での現場で対峙してきた経験を詰め込みました。数字と言葉の両面から強いブランド作りのお手伝いをしていきたいと思います。すべてを学ぶには5回だけでは完結しませんが、ブランドのことを考える第1歩にはなるはずだと思います。


私が地方で感じている「本当に困っている人はお金を払うこともできなければ、知識・情報も足りないため誰に依頼していいかもわからない」という不条理・不合理な出来事に引き続き向き合いたいと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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