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  • 執筆者の写真桜井 貴斗

「地方ブランド」のための新商品開発マニュアルをつくりました。

更新日:9月25日


「地方ブランド」のための新商品開発マニュアルをつくりました。

私は現在、静岡市で株式会社HONEというマーケティング支援の会社を行なっています、代表の桜井と申します。


当社のミッションは「地方に骨のあるマーケティングを実装する」ことです。


マーケティングをただ学ぶだけで終わらせず、単発の実践だけにとどまらせず、中長期的に組織に実装することを目的に、全国の地方事業者さんのもとに直接伺い、お手伝いをさせていただいています。



Mission(ミッション): 地方に骨のあるマーケティングを実装する。 Vision(ビジョン): ​マーケティングの力で地域をもっと元気に。 Value(バリュー): FACT FULNES SSELF CONTROL NEVER GIVE UP​

基本はマーケティング領域を全方位でカバーしています。理念(MVV)・市場分析〜事業戦略・ブランド戦略・マーケティング戦略が一気通貫で考え、具体的な戦術に落とし込んでいき、戦術実践のマネジメントまでお手伝いさせていただいています。



お客さまは9割以上が地方に拠点を置く方です。人口規模で言うと、5〜10万人くらいが多いように思えますが、最近は過疎地域や限界集落、離島などのご相談も多くいただいています。




Chapter/0 はじめに


▼この記事はこんな人におすすめです 地方でブランドをはじめているが、何から始めていいかわからない ・新商品開発を任せられたが、どんな順序を踏めばいいかわからない ・原料/原材料はあるが、どう販売していいかわからない

地方はヒト・モノ・カネなどの経営資源のほとんどが足りていないにも関わらず(というかそのせいか)、成果を出すための難易度が非常に高い領域だと思っています。であれば、成功確率を高めるために持っている知識・情報をできるだけ開示するのが責務なのではないかと感じ、この記事を書くことにしました。


本noteのテーマは「新商品開発」です。実際に私が直近で携わった静岡産さつまいもを使ったおやつ「RAKURAKU OIMO」を題材にして、どのようにして商品を世に出していったのか?商品開発を行う上で注意すべきことはなにか?について順を追って解説していきたいと思います。


※クラウドファンディングにて応援購入していただいた皆様、この場を借りてお礼申し上げます!ありがとうございました!


地方でブランドをつくったり、商品・サービス開発を検討している人たちに届き、少しでもお役に立てたらとても嬉しいです。


目次


Chapter/1 なぜ地方にマーケティングが必要か?


地方におけるマーケティングの必要性はもはや説明不要だと思いますが、改めて説明していきたいと思います。


多くの地方都市や郡・村・町では、人口減少や高齢化が進む中で、地元経済の活性化が急務となっています。よく「地方には社会性がある」と言われます。むしろ、社会性しかないと言ってもいいくらいかもしれません。しかし、経済性が足りない!社会性だけで地方ブランドを立ち上げるには不十分です(当たり前ですが)。どれだけいいものをつくったとしても、利益にならなければ意味がないのです。


だから商品・サービスがどのように地域社会に貢献し、また地域外の消費者にどのように受け入れられるか?そしてその結果、経済性にインパクト与えることが重要だと思っています。


マーケティングはこの「経済性」を担保するために必要な手段です。地方ブランドがつくった商品・サービスが適切なターゲットに届くよう戦略を練るために必要不可欠なピースとなります。伝えるため・知ってもらうための手段、と言い換えてもいいかもしれません。



さらに、地方ブランドが成功するためには、単にスキルセットを磨くだけではなく、地域のステークホルダーたちとの協力も欠かせません地域のステークホルダーたちは地元の文化や歴史を最もよく理解しており、ブランドの真の価値を伝えることができます。


地域のステークホルダーは大きく「産・学・官」の3つに分かれます。私自身、1人で産・学・官をぐるぐるとまわって連携していますが、それぞれに強み・弱みがあると感じています。そのため、相互補完しながら進めていっています。



このように地方でのマーケティング活動は、より多くの地元民を巻き込むことで、より大きな共感と支持を得ることができるはずです。では次に、地方で起こっている具体的な問題について解説していきます。



全国の「赤字法人率」 は65.3%


東京商工リサーチ社 2023年都道府県別「赤字法人率」調査では、以下のように公表しています。



国税庁が2023年に公表した「国税庁統計法人税表」によると、2021年度の赤字法人(欠損法人)は187万7,957社だった。普通法人(287万3,908社)の赤字法人率は65.3%で、年度ごとの集計に変更された2007年度以降の15年間で最小を更新した。前年となる2020年度(66.1%)は、コロナ禍で10年ぶりに赤字法人率が上昇したが、2021年度は0.8ポイント改善した。


産業別の赤字法人率では、最大が小売業の71.9%(前年度72.8%)。次いで、製造業の69.0%(同70.3%)、農・林・漁・鉱業の67.5%(同68.1%)の順。最も赤字法人率が悪化したのは、建設業の2.7ポイント増(56.8→59.5%)。一方で、最も改善したのはサービス業他の2.2ポイント減(69.3→67.1%)だった。「料理、飲食店」の赤字法人率は前年の83.5%から10ポイント近く改善し、73.6%まで低下した。業種によっては手厚いコロナ対策の給付などで、一時的に利益が改善した企業も少なくないとみられる。


過去最小といっても「65.3%の会社が赤字」で、小売業に至っては70%以上が赤字、農林漁鉱業も赤字率が67%を超えているような状態です。コロナ禍の資金繰り支援策の効果により一時的に緩和されているようにも見えますが、それでも地方にある多くの産業は利益を出すことがとても難しい現状だと言えます。



会社・事業の課題は「適切な後継者がいない」


次に課題となるのが後継者問題。人手不足の地方企業において、後継者不足は大変深刻な問題。若い世代の人口流出にも拍車がかかり、地元での事業継承が困難になっています。


上記のアンケート(会社・事業・店舗の事業継承の課題は何ですか?)にて最も回答の多かったのは「適切な後継者がいない」でした。第三者承継もあまり進んでおらず、黒字倒産も増加しています。


その結果、これまでのアイデアや技術を取り入れる次の世代がいなくなり、文化や商慣習・商品開発が停滞するリスクが増えています。また、経験豊富な職人や技術者が引退する際、その技術やノウハウが引き継がれないことも問題となっています。


特に地方はビジネススキルの良し悪しだけでなく、「人として信用できるか」がとても大切になるため、人間関係を築けるかどうかもポイントになっていきます。



GDPの7割弱は3大都市以外(東京・大阪・愛知以外)が占めている


日本の経済活動は、一見すると東京、大阪、愛知といった大都市圏に集中しているように感じられがちですが、実際は国内総生産(GDP)の約70%は、3大都市圏以外の地域で生み出されています(2019年)。



地方は歯車、一部分ではなく、日本経済の大きな柱であることを示しています。


地方に多数存在する豊かな自然資源や、独自の文化・歴史が生み出す多様な産業は、国の経済力を支え、またこれからも新たな可能性を生み出し続けています。



Chapter/2 【調査編】静岡を代表するさつまいもおやつをつくろうPJT


さて、前置きはここまでにして、ここから今回の事例である、ほしいもの商品開発事例を解説していきたいと思います。


ここでは、


  • 依頼主であるヤマウメさんの想い

  • 支援体制

  • さつまいも/ほしいもにまつわる調査

  • 定量調査の流れについて


の流れに沿って説明していきたいと思います。



依頼主:ヤマウメさんの想い


依頼いただいたのは1901年から続く静岡のお茶農家さんであるヤマウメさん。2018年からお茶との相性が良く尚且つ、静岡が発祥のほしいもの栽培・加工を開始。百有余年、代々と引き継ぎ、現在は5代目の佳通さんがその看板を背負い、明治から令和の時代まで受け継がれる味を守り続けています。



(富田さんよりいただいたコメント) 少子高齢化や過疎化が進み、日本の地方はどんどん人がいなくなっているので、今地方に住んでいる人は「今後この地域で生活できるのか」という不安を少なからず抱いていると思うんです。 静岡でもお茶農家さんは高齢化が進み、存続が難しいところも多々あります。私の両親も「お茶農家は継がなくてもいい」と私に言っていました。 でも親や祖先が生きてきて、自分が育ってきた地域に不安を感じたり、「生きていけない」と思うなんて、とても悲しいじゃないですか。私はこの恵まれた環境と、お茶で食べさせてもらっていた恩を感じていたので、「継ぎたい」と両親に伝え、飲食店で修行の後に家業を継ぎました。

5代目佳通さんのコメント


サポート体制


ヤマウメ富田さんの想いを聞き、これは失敗できないぞ・・・!という気持ちと、商品開発まではできるけれどプロダクトデザイン・パッケージデザイン・Webデザインまで幅広くクリエイティブに精通している人、さらに「食」に特化している人なんているわけ、、、いや、いました。


PREO Designの古庄さんです。食のクリエイティブディレクターで、全国の食のプロのみで商品企画開発&ブランディングデザイン&プロモーションなどチームを構成しサポートされている方です。


古庄さんの自己紹介noteはこちら👇



ということで、マーケティング領域は弊社HONEで、パッケージ・ロゴ・コンセプト周りのクリエイティブ全般は古庄さんにお願いしよう!ということですぐに連絡しました。


その後すぐに静岡にお越しいただき(フッ軽すぎてびっくりしました)、以下のような座組が出来上がりました。



「さつまいも」のルーツは?


チーム編成ができたところでキックオフ。当初は「静岡でブランドさつまいもをつくる」といったテーマで考えていたのですが、私自身、どうもピンときていませんでした。


それもそのはず、静岡に「さつまいも」のイメージがないのです。念のため、ルーツを遡ってみましたが、やはりありませんでした。



▼さつまいもが静岡県で栽培されるまでの歴史 南米原産のさつまいもがスペイン、アフリカ、インド、中国を渡り、琉球に流入し、今から300年前に鹿児島県でさつまいもが作られるようになった。1766年(明和3年)、御前崎沖で遭難した薩摩の御用船「豊徳丸(とよとくまる)」を二ツ家の組頭、大澤権右衛門(おおさわごんえもん、1694~1778年)が助け、そのお礼にさつまいもを譲り受けたことで静岡県でさつまいもが栽培されるようになった。

さつまいものイメージはやはり鹿児島・茨城です。それは収穫量を見ても明らかでした。品種を見ても「安納芋・紅はるか・シルクスイート」など名だたるブランドが並びます。



空前のさつまいもブームと生産量


作付面積と収穫量を見てみても同様に「鹿児島・茨城」の2強となっていました。農家さんの減少により作付面積は減っているものの、収穫量は横ばい(近年は微増)しており、さつまいもブームは続いている?といっても過言ではない状況でした。




「ほしいも」のルーツは?


その後、ふと「ほしいも」のルーツを調べてみました。

▼干し芋が誕生するまでの歴史 1824年(文政7年)、御前崎で農家をしていた栗林庄蔵が干し芋のルーツ、さつまいもを茹でて薄く切り、干しあげた煮切り干しという製法を生み出す。1892年(明治25年)、磐田の大庭林蔵と稲垣甚七は、さつまいもを蒸して厚切りにして乾燥させる蒸切り干しという製法を考え出し、今日の干し芋が誕生した。 ▼干し芋の拡大 大正時代に入ると、干し芋の生産は御前崎村のある榛原郡と大藤村のある磐田郡を中心に静岡県全体に広がり、1920年には静岡県全体の生産量は1万t近くにまで達した。その後、保存食として全国各地に広まり、静岡県が1955年(昭和30)ごろからさつまいもに代わって収益の高い、メロンやお茶などへの作付け転換を進めたことで、干し芋の生産は茨城県に移る。

なんと、ほしいものルーツは「静岡県(御前崎市)」だったのです。



念のため、御前崎市役所に電話して確認したところ、ほしいも発祥の地である確認が取れました。実際に御前崎市には「いもじいさんの碑」も存在しています。





そんな流れから、「さつまいもは難しいけれど、ほしいもは勝機があるかもしれない」と感じるようになりました。



スクリーニング調査の実施


ほしいもについてきちんとしたファクトを掴みたかったため、定量調査を行いました。いつもお世話になっている24時間セルフ型アンケートツール「Freeasy(フリージー)」でまずはスクリーニング調査をしてみました。



【スクリーニング調査とは】 スクリーニング調査とは、アンケートを実施する際、調査対象者を抽出するために、本調査の前におこなう事前調査のことです。年齢や性別などの基本属性以外で調査対象者を絞り込む必要がある場合、実施します。 例えば、下記のような対象者に本調査をおこないたい場合は、スクリーニング調査が必要となります。 ■マーケティング業務に従事していて従業員数100人以上の企業に在籍する課長以上の役職者 ■大学・大学院・短期大学で卒業論文もしくは修士論文を書いたことがある22歳~25歳 スクリーニング調査をおこなうことで、条件に合致した対象者向けに本調査をおこなうことができるため、より精度の高いアンケート結果を回収できたり、アンケート回答者に支払う謝礼コストをおさえることが、期待できます。 なお、スクリーニング調査は「プレ調査」と呼ぶ場合もあります。

今回は3,000サンプルに対して、「直近1年間でほしいもをご自身で購入されましたか?」と聞き、1年以内に購入された方のみにほしいもに関する具体的行動を調査することにしました。



結果はこちら。全体の25%(4人に1人)が「直近1年間でほしいもを購入した」といった結果になりました。



さらに販路として、「コンビニ」と「スーパー」それぞれで買ったことがあるか?を聞いたところ、「コンビニ:11%」「スーパー:28%」とおおよそ3倍近い差があることがわかりました。皆、スーパーで買っているわけですね。



定量&定性調査の実施


次に、直近1年間でほしいもを購入した400サンプルに、より詳しい購買行動を定量(アンケート)調査してみました。



詳しい調査データはすべて見せられないため、抜粋して紹介していきます。ポイントは大きく3つありました。


1つ目は「消費者はほしいもの商品名を認知していない」ということです。


以下の質問は「普段よく買うほしいもの商品名を教えてください」に対してのフリーコメント(一部)なのですが、多くの方が

「覚えていない・忘れた」と回答しています。この一覧を見たときに違和感を覚えました。



つまり、「ほしいも」の第一想起がない、ということになります。



2つ目が「ほしいもを持ち歩いている割合が15%弱」という点です。


子どもから大人を飛び越えておじいちゃん・おばあちゃんまで愛されるほしいもがなぜ出先で食べられていないのか?ここはとても引っかかりました。




3つ目が、ここ最近持ち歩いている間食系おやつの上位が「あめ・チョコ・グミ」であるということです。


みんなダイエットしたい・太りたくないと口にしているにも関わらず、口にするのはカロリー・糖分の高いおやつ。


各メーカーが巧みな広告コミュニケーションでいくら罪悪感を解消しているといえど、「ほしいもを持ち歩いたほうが良くない!?」とより強く感じるようになりました。



ちなみに、コンビニにもほしいもは売っていますが、すべて海外産でした(調査時点)。またエリアによっては店舗に置いていないところもあるそうです。


余談ですが、コンビニのほしいもをすべて試してみましたが、海外産と国産は香り・味・食感など全然違いました(私は断然国産がおいしく感じました)。


コンビニのほしいもは海外産

その後もペルソナになりえる方への定性調査(1対1のインタビュー)を行いました(10名ほど)。


その結果、「実は細長いほしいもを切ってサランラップに包んでオフィスに持って行っている」といった若年女性の声が思ったよりも多く、それ以外にも「自分で芋を蒸し乾燥して切って自家製持ち歩きほしいもを作っている」「ナッツともにフライパンで炒るとうまい」といったほしいもフリークの作法に触れることができ、「やはり、みんな持ち歩きたいのでは・・・!」という仮説が確信めいたものとなってきました。




Chapter/3【実践編】静岡を代表するさつまいもおやつをつくろうPJT


以上のChapter2の調査から見えてきたことを改めてまとめてみます。


調査から見えた消費者が求めているものはなにか?


・(ほしいもは好きだけど)「商品名を認知していない ・(ほしいもは好きだけど)「ほしいもを持ち歩いている人は少ない(15%弱)」 ・(ほしいもは好きだけど)「アメ・チョコ・グミを持ち歩いている」

ここで以下のような仮説を考えました。


・持ち歩けるほしいも商品がないから買っていないだけなのではないか? ・持ち歩きにくい形状が持ち歩きを阻害しているのではないか? ・なんとなく「家で食べる間食おやつ」といった認知形成がされているだけではないか?

仮説とともに、「顧客(消費者)が求めていること」「ヤマウメさんができること」「競合ができないこと」(=バリュープロポジション)を検討し、以下の5つに絞りました。



【バリュープロポジションとは】 バリュープロポジション(value proposition)とは、企業が顧客に提供する価値を表したものです。才流では、「自社が提供できて、競合他社が提供できない、顧客が求める独自の価値を表したもの」と定義しています。 バリュープロポジションが明確なほど、マーケティングメッセージがつくりやすく、営業が説明しやすく、顧客に選ばれやすくなります。 バリュープロポジションの肝は以下の2点です。 顧客が望んでいる価値と、自社が提供できる価値を合致させること 競合他社が提供できない、自社独自の価値を提供すること 顧客が望んでいる価値と、自社が提供できる価値を合致させられないと、そもそも顧客に検討してもらえません。また、 競合他社が提供できない、自社独自の価値を提供しないと、競合と比較されて価格競争になったり、受注率が低くなったりしてしまいます。


ターゲット・オケージョン・プレファレンスとは?


ここからは調査を元により精緻な仮説構築をしていきます。名著 「戦略ごっこ」より「ターゲット・オケージョン・プレファレンス」を軸に具体的な行動仮説に落とし込んでいきます。



マーケティングの原理原則では「Who(だれに)」「What(なにを)」「How(どうやって)」が大切だとされていますが、ターゲット・オケージョン・プレファレンスの整理では「オケージョン(どんな時)」がとても重い意味を持つと解釈しています。


例えば、晴れているときにコンビニでビニール傘(今は700円くらいするそうです)を買う人はほとんどいないと思いますが、突発的な大雨に見舞われたときは迷わず買う人が出てきます。これが「有効なオケージョン」です。


つまり、逆算思考では「コンビニのビニール傘の価値(=値段)が最も高くなるオケージョンはいつか?」という問いになるわけです。


似たような事例で「記念日のお酒」や「旅行中の食事」も価値(=値段)が高くなるオケージョンであるといえます。今回は「ほしいものターゲット・オケージョン・プレファレンス」を考えた際、以下のような言語化を進めていきました。



ほしいものターゲット・オケージョン・プレファレンス


そこでこのフォーマットに則って、これまでの調査から導き出された「ほしいものターゲット・オケージョン・プレファレンス」は以下の通りとなります。



【4つのターゲット・オケージョン・プレファレンス】 ・「子どものいる主婦」×「お出かけの際の子ども向けのおやつ」×一口大で食べられる(バッグに入れられる) ・「ダイエット中の人」×「小腹が空いたとき、グミやチョコだと罪悪感がある」×「無添加・グルテンフリーで罪悪感がなく小腹が満たせる」 ・「仕事中のOL」×「仕事中、小腹を満たしたいが、添加物・糖分が多いお菓子だと抵抗感がある」×「無添加・グルテンフリーで罪悪感がなく小腹が満たせる」 ・「グルテンフリーユーザー」×「グルテンフリーのおいしいおやつに巡り会えない」×「無添加・グルテンフリーで罪悪感がなく小腹が満たせる」

ちなみに上記を言語化する手前の工程に以下のように「ターゲット・想起・配荷・状況×価値」を言語化して整理するフェーズがあります(念のため、添付しておきます)。


いきなりオケージョンなんてわからない!という方はぜひここの言語化からチャレンジしてみてください。



マーケティング戦略をクリエイティブに接続する


ここまで整理ができてくると、具体的な使用イメージやクリエイティブイメージも湧いてきたため、アイデアも具体的に出てきました。


  • 「バッグに入りやすい、持ち運びできるパッケージがいい」

  • 「コンビニで売っているようなグミやチョコのサイズ感に近いサイズがいい」

  • 「食べきりではなく、ジッパーがあるといい」

  • 「子どもでも一口大くらいで食べやすい大きさにしよう」

  • 「出先で食べるためベタつかないほうがいい(ほしいもにやや固さは残したほうがいい)」



これらのアウトプットを古庄さんがまるッと引き取ってくれて、素敵なデザイン・コンセプト・クリエイティブに落とし込んでくれました。



こうしてこれらのクリエイティブを「テストマーケティング(マーケティング戦略の仮説検証)」としてクラウドファンディングに出すことにしました。


クラウドファンディングの目的の多くは資金集めですが、ことMakuakeにおいてはクラウドファンディングの顔をした「テストマーケティングの場所」または「新しい商品が見つかるECプラットフォーム」なので、今回のようなテスト機会にはもってこいのプラットフォームだと思います。




結果、開始1日でクラウドファンディング達成し(達成率132%)、開始1週間で2,000袋以上売れる大ヒットとなりました。


※クラファンにどんな仕込みがあればいいか?については別途ノウハウがあるため、ご質問いただければお答えします(ここでは割愛します)


購入いただいた方の声を見てもおおよそペルソナ通りの動きとなったため、一旦仮説は証明されたといってもいいのではないかと思っています。



また、開始1日で達成したこと、1週間で2000袋応援購入いただいたことをすぐにリリースを書き、あわせて販売パートナーの募集も併記してプレスを打ちました。



プレスがこちら↓




クラウドファンディングをストーリーだけで売ってはいけない理由


少し余談になってしまいますが、私個人として「クラファンで買ってくれる理由」と「クラファン後に店頭やEC(通販)で買ってくれる理由」は違うと思っています。


前者のクラファンで買ってくれる理由は、「発起人への共感」や「商品の物珍しさ、または新しさ」、同じ地元などの「応援購入」などが主たる理由かと思いますが、後者のクラファン後に店頭やEC(通販)で買ってくれる理由は、「商品そのものの魅力」「ターゲットが手に届く配荷先においてある」「口コミ評価が高い」などの商品そのものの魅力・評価で購入されていると思っています。


つまり、クラファンにおいては「ストーリー」でそれなりに売れることはできたとしても、クラファン終了後の通常販売では「ストーリー<商品の魅力」で選ばれることがあるため、クラファン販売時でも「商品の魅力」をきちんと伝えていかなければ、クラファン後に商品が売れなくなってしまうと考えています。


クラファンに関わらず、売上を構成するのは「メンタルアベイラビリティー Mental Availability▷想起のされやすさ」と「フィジカルアベイラビリティー Physical Availability▷買い求めやすさ」となるため、ストーリーだけの想起ではなく、商品の魅力を伝えていくことや、クラファン後にその商品がどこで買えるのか?(配荷・フィジカル)を伝えていくことが求められていると思っています。



これからクラファンを行う方は心のどこかに留めていただけたらと思います。



クラウドファンディングに参画してもらいやすくする「3つ」のポイント


ここからはクラファンのちょっとしたテクニックをご紹介したいと思います。私が普段から意識しているのは「定量的であること」、そして「こだわりを伝えること」かつ「(そのこだわりが)独自性があること」です。


今回は以下の3点を根拠に設定しました。



【クラウドファンディングに参画してもらいやすくする「3つ」のポイント】 1. 日照時間2,500時間を超える 静岡県御前崎市産 さつまいもの農場がある静岡県御前崎市は温暖な気候で、日照時間が日本で一番長く、年間2,500時間を超えます。日本全体の日照時間の平均は、1,500時間〜2,200時間ほどで、御前崎は全国的にみても日照時間が長い地域。十分な太陽の光を浴びて砂の中で育った紅金波は、見た目も美しく、甘くておいしいさつまいもに育っていきます。 ※参照元:気象庁日照時間データ 2. 海岸沿いの砂地栽培 ほしいもの産地である茨城県、ほしいもコンテストで殿堂入りしているH社様を比較対象した「味覚センサー」では、さつまいもの濃厚さを構成する「旨み・コク」「甘味」「塩味」の値で平均以上の数値を記録。特に突出している「塩味」の理由は、紅金波の特徴でもある、海岸沿いにある砂地栽培によるものです。海のミネラル分をたっぷり含んだ砂地で育つことで、さつまいもの塩味も高くなっています。 3. こだわりの有機肥料で栽培 私たちは、三重県にある『株式会社服部』様の有機肥料を使用しています。国内資源を大切に使用した、土にも環境にも良い有機肥料です。鰹節などの魚の製品の魚粕(ぎょかす)のアミノ酸が、さつまいもの味の深みを出してくれます!そんなこだわりの「紅金波」を使った新しい「ほしいもおやつ」を皆さまにお届けします。

さらに、より買いやすくするために「お買い求めしやすさ」にもこだわりました。


特に以下の3つ目の「手軽な価格帯(3500円)」は意識的にプライシング設定を行い、1袋(送料込みでも300円ちょっと)にし、普段からグミやチョコをコンビニやスーパーで買っている人たちの代替品となるような値付けにしました。



1. みんな大好き「お芋×無添加」 老若男女大好きな「お芋」。さらに無添加おやつによって、女性・子育て世代の支持を集めることができた。 2. 数字で根拠を明確に 日照時間日本一、「旨み・コク」「甘味」「塩味」のバランス、1週間で2,000袋販売、など明確にっ! 3. 手軽な価格帯(3,500円から) 誰もが手が届く価格帯(3,000円代)に設定。1袋あたり300円程度の価格設定を意識しました。


このように参画しやすくした結果、おかげさまで多くの嬉しいお声をいただくことができました。





クラファンをきっかけに卸販売のご依頼も数多くいただき、少しずつ「持ち歩くほしいも」の需要が拡大しています。






以上が「【実践編】静岡を代表するさつまいもおやつをつくろうPJT」でした。



Chapter4/地方にマーケティングを実装させる、ということ


最後に私自身がドメインを置く地方についての現状を書いて、このnoteは終わりにしたいと思っています。



これから地方に起こる最悪のシナリオ


これからの地方はただでさえ少ない経営資源である「ヒト・モノ・カネ」がさらになくなっていくことになると思います。



現状は上記のような資源が数十年後、もしかすると数年後には👇のような状況になっているかもしれません。


未来の地方

少子高齢化・人口転出による人口減少、物価・原価高騰による利益の圧迫、その結果売上減少・借入額の増加など、非常に難度が高くなっているのが地方ビジネスの実態だと思っています。



地方に求められている人材は「地下総合格闘技」型人材


ではどのような人材が地方に向いているか?必要か?というと、以下のようにカテゴライズしてみました。



▼【地方】地下総合格闘技 ・ ルールは自分たちでつくる ・エモーショナル(気分・情緒) ・「個」の力 ・リーダーシップ ・マネジメント ・低予算から成り上がる ・地域全方位へのコミュニケーション ▼【都会】オリンピック競技 ・ルールが明確にある ・ロジカルな意思決定 ・チームで協業(分業) ・マネジメントが中心 ・予算をどこに・どう使うか ・仕組み化されたオペレーション

ここでは地方と都会の優劣の話をしているのではなく、「求められる役割が違う」ということだと認識いただけると嬉しいです。地方はある種スタートアップに似ていて、何かが決まっているようで何も決まっていないということが多々あります。


スタートアップと違うのは、「地域コミュニティなどの固有の利権・既得権益があること」「圧倒的に伸びる市場性はない(むしろ衰退する可能性が極めて高い)ということ」「数百年・数千年の歴史・文化・慣習がある(良くも悪くも)」くらいで、あとは一緒だと思っています。


地方は総合格闘技

その上で、地方に求められている人材とは以下の5つなのではないかと考えています。


Zに疑問を持ち、変える勇気を持てる人 ✅ エモさとロジカルさを両面を持てる人 ✅ 個で打開でき、チームも束ねられる人   ※スペシャリストであり、ゼネラリストでもある人 ✅ みずから予算をつくり出せる人 ✅ 人との対話を諦めずに続けられる人

非常に求められるものが多いとは思いますが、やりがいがあることは自信を持って言えるし、まだ体がバリバリ動くわれわれ現役世代が次の世代にバトンを託す責務があると思っているため、これからも率先垂範してロールモデルになれるよう、精進していきたいと思います。




ぜひ、HONEを頼ってください!


最後に、「事例はよく理解できたけれど、やっぱりまだよくわからないなぁ」という方には無料壁打ちサービスもやっています。もしご興味があればぜひご活用ください!


例えば、以下のようなお悩みの方に最適だと考えています。 ①何から始めていいかわからない マーケティングの悩みは多岐にわたります。「売上を上げたい」「集客を増やしたい」「ブランドコンセプトを見直したい」「市場分析市場分析を実施したい」「SNSを始めたい」など、多くの打ち手はありますが、何から始めていいかわからない…。第1歩としてご活用ください。 ②新商品・新サービスの相談がしたい 新しい商品やサービスが果たして売れるのか?消費者にとって有益なものになっているのか?についても重要な要素です。市場に受け入れられそうか、競合優位性はあるか、自社の強みは行かせているのか、など、マーケティング・ブランディングの両視点からお話をさせていただきます。 ③地域/まちづくりの相談がしたい 地方は「1社、単体のブランド」だけでなく、地域コミュニティ全体で同じ方向を向きながらインパクトを残していかなければなりません。民間だけでなく、自治体や第3セクターなど、官民が連携して1つの目的に向かっていくためにどんなスキームで進めていけばいいか?についても専門家の視点からアドバイスいたします。

その他、弊社サービスはこちらにまとめています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。



最後に(地方ブランド向け:HONEのサービスについて)


当社ではMVV策定のためのワークショップやMVVを含めたブランド戦略全体の策定を行っております。


HONEではブランドづくりを基礎から学ぶ「ブランド戦略サポートプラン」と、新商品開発・新規事業開発の足掛かりとなる「マーケティングリサーチサポートプラン」、1日で「基礎」を学びたい人向け「出張マーケティングプラン」の3つのソリューションをご用意しています。


皆さんのフェーズに合わせてご検討いただけるサービスとなっております。また地方の企業さまにもご利用いただきやすいよう、各サービス価格は20万円程度からご用意しておりますので、お気軽にお声がけいただけたらと思います。


詳しいサービスはこちらをご覧ください。


 

【記事を書いた人】

桜井貴斗

Takato Sakurai / 桜井 貴斗

株式会社HONE 代表取締役/マーケター


札幌生まれ、静岡育ち。大学卒業後、大手求人メディア会社で営業をしたのち、同社で新規事業の立ち上げ等に携わる。「売り手都合の営業スタイル」に疑問を感じていた矢先に、グロービス経営大学院にてマーケティングに出会い衝撃を受ける。その後、新たな新規事業の立ち上げを経て、2021年に独立。現在はクライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営などを手掛けている。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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