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執筆者の写真桜井 貴斗

マーケティングインサイトの見つけ方について。

更新日:10月20日


マーケティングインサイトの見つけ方について。

マーケティングにおいて、消費者の本音や隠れたニーズを見つけることは、成功の鍵となります。


「洞察=マーケティングインサイト」を掴むことで、商品やサービスの訴求力を高め、競争優位性を確立できるはずです。本記事では、マーケティングインサイトの基本的な概念や重要性、そして具体的な事例を交えながら、その見つけ方について詳しく解説していきます。



 


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目次



マーケティングインサイトとは?


マーケティングにおいては、単なるデータや表面的な情報だけではなく、消費者が何を求め、なぜそのような行動を取るのかを理解することがとても重要になります。インサイトを正確に把握することで、企業は消費者の真のニーズに応える製品やサービスを提供し、より効果的なマーケティング戦略を立案することができます。


本章ではインサイトの定義とその必要性について解説をしていきます。



インサイトの定義


インサイトは、消費者の行動や心理の奥深くに潜む隠れたニーズや動機を発見するための洞察を指します。マーケティングにおいては、単なるデータや表面的な情報だけではなく、消費者が何を求め、なぜそのような行動を取るのかを理解することが重要です。


インサイトを得ることで、企業は消費者の真のニーズに応える製品やサービスを提供し、より効果的なマーケティング戦略を立案することができます。


インサイトを得るためには、消費者との対話や観察、データ分析など多様な手法が用いられます(具体的な方法は後述します)。これにより、消費者の行動パターンや価値観、ライフスタイルを深く理解し、よりパーソナライズされたマーケティング施策を展開することが可能となります。


インサイトの定義


なぜインサイト(洞察)が必要なのか


続いて、なぜインサイト(洞察力)が必要なのか?についても言及していきたいと思います。


結論から言うと、インサイト(洞察力)が必要な理由は、現代の市場競争が非常に激しいため、単なる商品やサービスの提供だけでは消費者の心を掴むことが難しいからです。


消費者は多様な選択肢の中から自分に最も合ったものを選びたいと考えており、その選択を左右するのは単なる価格や機能だけではなく、消費者の深層心理や価値観、ライフスタイルに基づいたアプローチが求められます。


ここではインサイトが必要とされる理由をもう少し細かく区切り、大きく3つに分けてご説明します。


①消費者の価値観やライフスタイルを把握できる

例えば、同じ機能を持つ商品が複数存在する場合、消費者は自分の価値観やライフスタイルに合ったブランドを選ぶ傾向があります。洞察力を働かせることで消費者の真のニーズや動機を理解することで、企業は消費者にとってより魅力的なメッセージを発信し、ブランドロイヤルティを高めることができます。


②新たな市場機会を発見できる

インサイトは新しい市場機会を発見するためにも重要です。消費者の未充足のニーズや潜在的な問題を見つけることで、企業は新しい商品やサービスを開発し、競争優位を築くことができます。例えば、健康志向が高まる中で、従来の高カロリーなスナック菓子に代わるヘルシーなオプションを提供できれば、新しい顧客層を獲得するチャンスが生まれます。


③マーケティング戦略の精度を高められる

マーケティング戦略の精度を高めるためにも不可欠です。消費者の行動データやフィードバックを分析することで、マーケティングキャンペーンの効果を予測し、最適なタイミングやチャネルでメッセージを届けることが可能となります。これにより、マーケティング投資の効率を最大化し、より高いROI(投資対効果)を実現することができます。


このように、インサイトは消費者との深い関係を築き、競争優位を確立するための重要な要素です。次のセクションでは、使用する際の3つの注意点について解説していきます。


なぜインサイト(洞察)が必要なのか

インサイト発見のコツ


前章にてインサイトが必要な理由についてご説明しました。ここではどのようにしてインサイトを発見していくか?について解説をしていきたいと思います。


まず、インサイトはよく消費者の葛藤の中に隠れています。


消費者が何かを欲しがる一方で、それを手に入れることに対する不安や抵抗感を抱いている場合、その葛藤がインサイトの源となります。



インサイトは葛藤の中にある


マーケティングインサイトを見つけるための第一歩は、消費者の心の中にある葛藤を理解することです。


人々は日常生活の中で様々な選択を迫られ、その選択には必ずと言っていいほど葛藤が伴います。例えば、健康を気にしながらも甘いものを食べたいという欲求や、節約したいけれども最新のガジェットが欲しいという矛盾した気持ちです。


このような葛藤は、消費者が何を本当に求めているのかを知る手がかりとなります。表面的には見えないこの葛藤を掘り下げることで、消費者の本音や隠れたニーズを見つけることができるのです。マーケティングにおいては、この葛藤を解消するような商品やサービスを提供することが、消費者の心を掴む鍵となります。


インサイトは葛藤の中にある


消費者の中にある「建前」と「本音」


マーケティングにおいて、消費者の「建前」と「本音」を見極めることは非常に重要です。建前とは、社会的な期待や他人の目を意識して表現される意見や行動のことを指します。一方、本音は、消費者が心の中で本当に感じていることや欲していることです。多くの場合、消費者は建前を優先して発言するため、本音を直接聞き出すのは難しいと言われています。


例えば、建前では「ヘルシーなランチが食べたい」と思っていても、本音では「ハイカロリーな背徳感に溺れたい」と思っているかもしれません(マクドナルドやラーメンなどはまさにここに当たるかと思われます)。


消費者の建前と本音

またダイエットについても、建前(顕在ニーズ)では「ダイエットしたい・痩せたい」と口にしていますが、本音のところは「苦しい思いをせず体重を減らしたい」かもしれません。


単に建前だけを言葉のまま受け取るのではなく、建前の裏側に隠された「本音は何か?」を探り出すことがマーケターには求められます。


消費者の建前と本音

消費者の葛藤を見つけるためには、彼らの生活や行動を細かく観察し、インタビューやアンケートを通じて深掘りすることが重要です。これにより、表面的なデータだけでは見えてこない、消費者の真のニーズを把握することができます。


消費者の中にある「建前」と「本音」

このギャップを埋めるためには、消費者の行動を細かく観察し、データを分析することが必要です。インタビューやフォーカスグループなどの定性的な調査方法を用いることで、消費者の本音に近づくことができます。また、SNSやレビューサイトなどのオンラインプラットフォームでの消費者の発言も、本音を探る手がかりとなります。


消費者の建前と本音を理解することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができ、商品やサービスの訴求力を高めることができます。




しかし本音はとても見えづらい


消費者の本音を見つけることは、マーケティングにおいて非常に重要ですが、同時に非常に難しい作業でもあります。多くの消費者は、自分の本音を意識的に隠すことがあります。これは、社会的な期待や他人の目を気にするためです。


このように消費者の本音は表面的な回答や行動からは見えづらいことが多いです。さらに、消費者自身が自分の本音を理解していない場合もあります。彼らが本当に求めているものや感じていることを掘り下げるためには、深い洞察力と観察力が必要となります。


マーケティングインサイトを得るためには、消費者の行動や言動の背後にある動機や感情を理解することが求められます。これには、消費者の生活環境や価値観、過去の経験などを総合的に考慮することが重要です。


ある商品がなぜ特定のターゲット層に受け入れられるのか、その背景にはどのような心理的要因があるのかを探ることが必要です。



インサイトの具体的な事例は以下の記事にも解説していますので、あわせてお読みいただけると理解が深まると思います。


インサイトの見つけ方〜具体的な使い方とは?具体事例から解説します。



インサイト発見で意識していること


続いて、私桜井が実戦の中で意識していることを6つご紹介いたします。


  1. 疑い深くなる

  2. 全員に憑依する

  3. 「言っていること」と「やっていること」の差分を見る

  4. 相手が直感的に怒る/否定する

  5. ポイントを観察する

  6. 炎上した事象を徹底的に調べる

  7. プライドだけ高〜い人の行動を観察する


以下にそれぞれ解説をしていきます。


インサイト発見で意識していること


①疑い深くなる


インサイトを見つけるためには、まず疑い深くなることが重要です。


批判的思考、つまりクリティカルシンキングを身につけることで、表面的な情報に惑わされず、真のニーズや問題点を見抜く力が養われます。クリティカルシンキングとは、情報を鵜呑みにせず、常に「本当にそうなのか?」と疑問を持ち、論理的に考える姿勢のことです。


例えば、消費者が「この商品が好き」と言ったとしても、その背後には「なぜ好きなのか?」という深掘りが必要です。単にデザインが良いからなのか、価格が手頃だからなのか、それとも他の商品と比べて使いやすいからなのか。これらの要素を一つ一つ検証し、真の理由を探ることが求められます。


また、クリティカルシンキングを活用することで、消費者の言動の矛盾点や一貫性の欠如を見つけることができます。例えば、ある消費者が「健康に気を使っている」と言いながらも、実際には高カロリーの食品を頻繁に購入している場合、その矛盾を見逃さずに分析することが重要です。このような矛盾点を見つけることで、消費者の本音や隠れたニーズをより正確に把握することができるのです。


クリティカルシンキングを身につけるためには、日常的に情報を疑い、深く考える習慣を持つことが大切です。ニュースや広告、友人の意見など、あらゆる情報に対して「本当にそうなのか?」と問いかけることで、自然と疑い深くなる力が養われていきます。



②登場人物全員に憑依する


インサイトを見つける近道として、登場人物全員に憑依することが求められます。例えば、利害関係者を1つのクラスと例えた場合、教室の中心にいるA君と、教室の隅にいるBさんの両方の視点を理解することが必要、というイメージです。


A君はクラスのリーダー的存在で、発言力が強く、周囲の意見に大きな影響を与えます。彼の行動や発言からは、多くの人が共感するポイントやトレンドを見つけることができるとします。一方、Bさんは目立たない存在かもしれませんが、彼女の視点には独自の洞察が隠されていることが多いです。Bさんのような消費者の声を拾い上げることで、見落とされがちなニーズや不満を発見することができます。


このように、マーケティングインサイトを見つけるためには、さまざまな立場や背景を持つ消費者の視点に立ち、彼らの感じていることや考えていることを深く理解することが重要です。これにより、より多角的で深い洞察を得ることができ、効果的なマーケティング戦略を立てることが可能になります。



③「言っていること」と「やっていること」の差分を見る


消費者は自分の行動や選好を言葉で説明する際に、実際の行動とは異なることを言うことがあります。これは、社会的な期待や自己イメージを守るために「建前」を使うことが多いためです。


上記で例として挙げた「建前と本音」がその最たる例となります。


「建前と本音」

「建前と本音」

このように消費者が「こうしたい」と言っていることと、実際に「こうしている」ことの間には、よくギャップがあります。このギャップを埋めるための製品やサービスを提供することで、消費者の満足度を高めることができます。



④相手が直感的に怒る/否定するポイントを観察する


マーケティングインサイトを見つけるためには、消費者の感情の動きを細かく観察することが重要です。特に、相手が直感的に怒ったり否定したりするポイントは、彼らの本音や深層心理を探るための貴重な手がかりとなります。なぜなら、人は自分の価値観や信念に触れられたときに強い感情を示すことが多いからです。


例えば、新しい製品やサービスの提案に対して消費者が強い反発を示す場合、その反応の背後には何かしらの不安や不満が隠れていることが考えられます。これを無視せず、なぜそのような反応が起こるのかを深掘りすることで、消費者の真のニーズや問題点を明らかにすることができます。


代表的な例がiPhoneです。日本でiPhoneが発売された当初は、ある程度の懐疑的な反応がありました。


iPhone発売当時

<iPhoneが懐疑的である4つの理由>


【携帯電話市場の独自性】

日本の携帯電話市場は独自の進化を遂げており、多機能で先進的なガラケー(フィーチャーフォン)が既に普及していました。これにより、iPhoneのシンプルなデザインとインターフェースが受け入れられるかどうか疑問視されました。


【キャリアとの関係】

当時、日本の携帯電話市場は主要なキャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の影響が強く、それぞれが独自のサービスや機能を提供していました。iPhoneの発売はソフトバンクからのみであったため、他のキャリアのユーザーがすぐに乗り換えるかどうかは不透明でした。


【価格設定】

iPhoneは比較的高価格で販売されたため、消費者が価格に見合った価値を見出せるかどうかが懸念されました。


【ユーザーインターフェース】

タッチスクリーンの操作性やソフトウェアキーボードに対する不安もありました。日本のユーザーは物理的なキーボードに慣れていたため、タッチスクリーンへの移行に抵抗感を持つ人もいました。


しかしながら、iPhoneの発売後、その革新的なデザイン、使いやすいインターフェース、多機能なアプリケーションエコシステムなどが評価され、徐々に日本でも人気を博すようになりました。現在では、日本でもiPhoneは非常に普及しており、主要なスマートフォンの一つとなっています。


消費者が否定的な反応を示す場面では、その反応を引き起こした具体的な要因を特定することが重要です。例えば、価格、デザイン、機能など、どの要素が消費者の反感を買ったのかを分析することで、製品やサービスの改善点を見つけることができます。


このように、消費者の直感的な怒りや否定のポイントを観察し、それを深く理解することで、より効果的なマーケティング戦略を構築することが可能となります。



⑤炎上した事象を徹底的に調べる


炎上した事象を徹底的に調べることも非常に有効です。


炎上とは、消費者の強い反応が集中的に表れる現象であり、その背後には深い感情や価値観が隠れています。感情や価値観を理解することで、消費者の本音や潜在的なニーズを掴む手がかりとなります。


まず、炎上の原因を特定することが重要です。なぜその事象が炎上したのか、どのような発言や行動が火種となったのかを分析します。次に、炎上に対する消費者の反応を詳細に観察します。SNSのコメントやニュースサイトのコメント、ブログ記事などを通じて、消費者がどのような感情を抱いているのか、どのような価値観や期待が裏切られたのかを読み解いていきます。


さらに、炎上の過程で浮かび上がったキーワードやフレーズにも注目します。例えば、「裏切り」「失望」「期待外れ」といった言葉が頻出する場合、それらの感情がどのように形成されたのかを深掘りすることで、より具体的なインサイトを得ることができます。


最後に、炎上後の企業の対応と消費者の反応も重要な観察ポイントです。企業がどのように謝罪し、どのような対策を講じたのか、そしてそれに対する消費者の反応がどう変化したのかを分析することで、消費者の信頼回復のプロセスや期待値を理解することができます。


炎上した事象を徹底的に調べることで、消費者の深層心理に迫るインサイトを得ることができ、それを戦略に活かすことが可能となります。


炎上した事象を徹底的に調べる


⑥プライドだけ高〜い人の行動を観察する


マーケティングインサイトを見つけるためには、さまざまなタイプの消費者の行動を観察することが重要です。その中でも特に注目すべきは、プライドだけが高い人々の行動です。


彼ら・彼女らは自己評価が高いにも関わらず、他人からの評価を非常に気にする傾向があります。このような特性を持った人たちがどのような商品やサービスに価値を見出すのか、またどのようなメッセージが彼らに響くのかを理解する手がかりが得られます。


プライドだけ高い人たちは、よく自分を他人と比較し、優位に立ちたいと考えます。例えば、最新のガジェットや高級ブランド品を所有することで、周囲に自分のステータスをアピールしようとすることが多いです。彼らの行動を観察することで、どのような要素が彼らの購買意欲を刺激するのかを見極めることができます。


また、彼ら・彼女らは自分の選択や行動が他人にどう見られるかを非常に気にします。そのため、口コミやレビュー、SNSでの評価などに敏感であり、これらの情報を基に購買判断を行うことが多いです。行動パターンを理解することで、戦略をより効果的に設計することが可能になります。


最後に、プライドだけが高い人たちは、自分の選択が正しいと確信したいという強い欲求を持っています。このため、商品の品質や価値を強調するだけでなく、他の消費者からの高評価や専門家の推薦を示すことが効果的です。これにより、彼らの自尊心を満たし、購買意欲を高めることができます。


プライドだけが高い人々の行動を観察することで、彼らの本音や隠れたニーズを見つけ出し、より効果的なマーケティングインサイトを得ることができるはずです。




まとめ


本記事では、インサイト発見のコツや具体的な方法について詳しく解説しました。


マーケティングインサイトを見つけることは、消費者の本音や隠れたニーズを理解し、商品やサービスの訴求力を高めるために不可欠となります。


インサイトは消費者の葛藤や「建前」と「本音」の間に存在し、それを見つけるためには批判的思考や観察力が求められます。また、消費者の行動や反応を細かく分析することで、より深い洞察を得ることができます。これらの方法を実践することで、マーケティング戦略の精度を高め、競争優位性を確立することができるでしょう。




HONEのサービスについて


当社では地方企業さまを中心にマーケティング・ブランド戦略の伴走支援を行なっています。事業成長(ブランドづくり)と組織課題(ブランド成長をドライブするための土台づくり)の双方からお手伝いをしています。


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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 

【記事を書いた人】


株式会社HONE  代表取締役 桜井貴斗

株式会社HONE

代表取締役 桜井貴斗


札幌生まれ、静岡育ち。 大学卒業後、大手求人メディア会社で営業ののち、同社の新規事業の立ち上げに携わる。 2021年独立。 クライアントのマーケティングやブランディングの支援、マーケターのためのコミュニティ運営に従事。


※本記事は一部AIを活用して執筆しています。

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